ニーアリィンカーネーション『祈り』【日本語&アルファベット歌詞】

ニーアリィンカーネーションより、『Inori 祈り』の造語歌詞を日本語とアルファベットに書き起こしました。
せつない想いがこめられた美しい一曲です──





茫漠とした世界で

「ニーア」の名を冠する作品として注目をあつめ、しかしながら、いまだ全容が謎に包まれたリィンカーネーション。(※1)
『Inori 祈り』はそのプロローグに起用され、さびしくも美しい幕開けを飾りました。

最初のエピソード「少女と怪物の物語」では2人のメインキャラクターが登場します。(※2)
ひとりは黒い怪物・レヴァニア。
ひとりは幼い少女・フィオ。
一方はニンゲンになるために。一方は悲しい現実から逃れるために行動を共にします。
怪物の目的はニンゲンの夢を喰らうこと。彼にとって少女は糧にすぎませんでした。
名も知らぬニンゲンたちの夢を喰らい尽くす旅──その中で怪物は、少女に奇妙な感情をおぼえるようになっていきます。

やがて少女の残酷な運命を目の当たりにしたとき、彼の中でひとつの願いが生まれました。
ちいさく、ささやかで、あたたかな願い。
しかしそれは、決して抱いてはならないものだったのです──





誰がための祈り

この曲を理解するにあたり、英語版タイトル『prayer』に興味深いヒントが隠されています。
prayerをそのまま訳せば『祈り』。
しかし厳密にいうと、ダメもとの希望や、自分の内から発せられる願いといったニュアンスがあります。
つまりこの曲は誰かに捧げるものではなく、明確な個人の想いを歌っているというワケです。

また、曲中には同じ言葉がくりかえし登場するという特徴があり、強い想い──何らかのメッセージがこめられた言葉だと思われます。
さらに『魔王』『曖昧ナ希望』のように、実際に口ずさむと情感が伝わってくる不思議な構成となっています。





造語歌詞について

アルファベット歌詞は基本的にローマ字読みです。詳しくはアルファベット歌詞についてをご覧ください。

注意点は…
「fel(フェゥ)」「niul(ニゥ)」「thiel(ティエル)」などの語尾Lはゥとルの中間音です。
「uwun(ウゥン)」はもっと分解すると「u wu n(ウ・ウゥ・ン)」となり、ワ行のウを意識します。
…などです。

ゥェルやイェゥのように音を巻く部分が多いため、『カイネ』なども練習に最適です。
英語圏の発音を意識すると上手に歌えます。全体的にスローテンポなので落ち着いて語感をつかんでみてください。
さらに曲の雰囲気に感覚をゆだねると すんなり歌えるようになります。
隠し音もあるので、より本格的に歌ってみたい方はアルファベット歌詞もあわせてご覧ください。





Inori - 祈り
アーティスト/-
アルバム/NieR Re[in]carnation Original Soundtrack

歌詞


ヒェス・フェゥ
Hies fel

フォア・ク・リヘス・チェス・ヒゥ
Foa q-rihes ches hiul

ラゥ・テイェス
Rauf teies

ディ・ナクヮ・リ・ディエフ・トゥオフス
D naqwa li dhief tuotfs



ダ・リジュス・ファル・ニゥ
Da rijus fal niul

アイ・レントゥ・フェイ・イェア
Ai rentwu fei yea

クゥ・ハリアス・ティエル
Qwu halias thiel

ファリントゥ・グウィ
Falintwu gwi

ヘーア
Hea



アッシエスト・フリーエアン
At-shiest friean

ディ・ウェントゥ・クリフ・ディフス・クウェル
D wentwu crif dhifs qwel

アン・チュル・フリーエアン
Ann chul friean

リル・クロゥ・インスティ・フォウア レ・リロス
Rill krou insthi foua Le liross



フォエント・ディホス
Foento dhihos

レン・ティセ
Ren thise

ハシュ・ウィ・トゥ・アゥフラ
Hatsh wi twu aufla

セイティ・レイ
Seithi rei

ヒ・ウゥン・ドゥーウェイ
Hi-uwun dwu-wei

ハシュ・クォーエ
Hatsh qwoe

ディフス・セゥ
Dhifs sel




Inori - 祈リ
岡部啓一











補足


※1
リィンカーネーション(Reincarnation)は「転生」「輪廻」の意。仏教ではなくキリスト教の概念に由来する。
ちなみにインカーネーション(Incarnation)も同じくキリスト教の概念だが、神が肉体を得る「受肉」の意味をもつ。この場合、接頭辞のRE(繰り返す、再び、反するなどの意)を切り離した「リ・インカーネーション」だとすると、未知の概念になる可能性がある。

また、タイトルロゴ「Re[in]carnation」のとおりに切り分けた場合、カーネーション(Carnation)はナデシコ科の花のこと。
一見するとニーアの世界観とは無関係だが、ナデシコ科の総称「ダイアンサス」は「神の花」という意味がある。
このほか、カーネーションは戴冠式の意味があったり、単に母の日の贈り物だったりと、解釈は多岐にわたる。



※2
レヴァニアはエピソード「少女と怪物」の主人公に位置付けられているが、詳しい出自や存在理由は謎に包まれている。
運送屋との会話から察するに、人間の夢を捕食すれば人間になれる、というルールは外部から教えられた可能性が高い。
しかし、人化の仕組みや代償、贖罪といった摂理を誰が構築したのかは不明。





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