ニーアオートマタ『オバアチャン』 【日本語&アルファベット歌詞】

ニーアレプリカント/ゲシュタルトの『オバアチャン』と、ニーアオートマタ『オバアチャン/破壊』の造語歌詞を解析し、カタカナとアルファベットに書き起こしました。
曲名に隠された真意をを交えつつご紹介していきます──





おばあちゃん×お婆様

ニーアの歴史には2人のオバアチャンが登場します。
ひとりは みなしごのカイネに無償の愛をそそいだ、男勝りでやさしい祖母・カーリー。
ひとりは旧世界でオリジナル・カイネを強化人間として創った厳格な元軍人・お婆様です。(※1)
本編では両者の因果は語られていませんが、楽曲『オバアチャン』には悲愴と あたたかい思い出、そして軍靴にも似た厳しさが垣間見える 奥深い構成になっています。





曲名の秘密

ニーアオートマタの『オバアチャン/破壊』というタイトルに違和感をおぼえた方も多いことでしょう。
これを読み解くうえで重要なポイントが祖母の名──「カーリー」にあります。
カーリーとはインド神話における殺戮の女神であり、別名はカーリー・マア(黒き母)。(※2)
実は、このカーリーは単独の神ではありません。
本来の姿はシヴァ神の妃サティ。彼女には複数の相があり、慈愛の相をパールヴァティ、殺戮の相をカーリーと呼び分けているのです。(※3)
つまりニーアの『オバアチャン』にはやさしさと厳しさの両面が、ニーアオートマタの『オバアチャン/破壊』では闘争の面が色濃く反映された曲調になっているわけです。





造語歌詞について

アルファベット歌詞は基本的にローマ字読みです。詳しくはアルファベット歌詞についてをご覧ください。

ニーア『オバアチャン』とニーアオートマタ『オバアチャン/破壊』の歌詞は基本的に共通ですが、微妙に異なるため2種に書き分けました。
特に後者は新規ヴァースの追加をはじめ、唱和が難しい(発音しづらい)などの理由から、合唱用に最適化されていると思われる箇所がいくつかあります。
以上の理由から、歌ってみたい方はオリジナル版で語感をつかんでから合唱版にチャレンジすることをおすすめします。

アルファベット歌詞の注意点は…
「Gyatg-le(ギャッレ)」「pugri(プリィ)」「Rugli(ルゥリ)」などのgは、のど の奥を鳴らす難しい発音。フランス語やドイツ語のrに通ずる特徴をもちます。なお、合唱版では発音が簡略化されています。
「bdla(ブラ)」は正確には「ブ、ラ」のようなスタッカートです。dは隠し音として用いました。
…などです。
より本格的に歌ってみたい方はアルファベット歌詞もあわせてご覧ください。

造語の解析には
オバアチャン(ニーアOST)
-echo-:NieR オバアチャン(NieR Tribute Album-echo-)
オバアチャン/破壊(ニーアオートマタOST)
…を用いました。





オバアチャン
アーティスト/Emi Evans
アルバム/NieR:Automata Original Soundtrack

歌詞


ギャッレ
Gyatg-le

フッズ・パ・リ・タンドゥ・プリィ・アヴェイ
Fuds pa li tandwu pugri avei

フラ・ネ
Fla ne

イン・ムンドゥ ロヴ
Inn mundwu Rov



ソ・ブラ
So bdla

ウォン・ルスィ・オン・ナ・カネフォ
Wonn ruswi onn na kanefo

イ・スウォア
I swoa

セトゥ・ダ・ネイシォ
Setwu da neisio



ルゥリ
Rugli

スィノス イェヴィリ
Swinos Yevigli

ルゥリ
Rugli

ホン・ズィ・ダリテ
Hon zwi dalite

ルゥリ
Rugli

ジヴァ・ハサヴ
Jiva hasav

ルゥリ
Rugli

オン・ダ・ラセトゥ
Onn da rasegtwu



※くりかえし※




オバアチャン
アーティスト: SQUARE ENIX MUSIC












オバアチャン/破壊
アーティスト/─
アルバム/NieR:Automata Original Soundtrack

歌詞


(v1)
ヴェンス ト ルヴェ
Vens To Ruve

ヴェンス ト ルヴェ
Vens To Ruve

アモ スヴァラ イオ
Amo Svala Io



(v2)
アッグレ
Atg-le

フッズ・パ・リ・タンドゥ・プリィ・アヴェイ
Fuds pa li tandwu pugri avei

フラ・ネ
Flla ne

イン・ムンツウェ ロヴ
Inn muntwe Rov



(v3)
ソ・ブラ
So bla

ウォン・ルスィ・オン・ナ・カネフォア
Wonn ruswi onn na kanefoa

イ・スウォア
I swoa

セトゥ・ダ・ネイジォ
Setwu da neijo



(c)
ルゥリ
Ruli

スィノス イェヴィレ
Swinos Yevile

ルゥリ
Ruli

ホン・ズィ・ダリテ
Hon zwi dalite

ルゥリ
Ruli

ジヴァ・ハサヴォ
Jiva hasavo

ルゥリ
Ruli

オン・ダ・ラセト
Onn da raseto



※ヴァース1くりかえし※



※くりかえし※



※ヴァース1、1くりかえし※




オバアチャン/破壊
アーティスト: 高橋邦幸












補足


※1
ドラマCDより。
オリジナル・カイネは東京の良家の令嬢で既婚者。奥ゆかしい性格で、厳格な祖母を「お婆様」と呼び畏れ敬っていた。
元軍人の祖母はみずからの遺伝子を検体とし、対レギオン戦闘プログラムを組み込んだ次期戦力(強化人間)としてオリジナル・カイネを生み出した。
その戦闘力はレプリカント・カイネに反映されるも、特殊な遺伝子情報がレプリカントシステム内でバグを引き起こし、身体的異常(両性具有)のきっかけとなった。

※2
英語表記のスペルは「Kali」。インド神話のそれと同じ。

※3
正確には、サティが転生して神妃パールヴァティとなった。
神妃にはドゥルガーという第二の相(破魔、戦神)もある。破壊という意味ではカーリーに似ているため、本場インドでも同一視されることがある。
発現した順番はパールヴァティ→ドゥルガー→カーリーの順。もっとも凶暴なのはカーリー。





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